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2009年1月29日 (木)

落語家はなぜ噺をわすれないのか

人間国宝である五代目柳家小さん師匠のお孫さんであり、
最後の弟子でもある柳家花緑さんの著書、
「落語家はなぜ噺を忘れないのか」を読みました。

落語家はなぜ噺を忘れないのか

僕は基本的に今まで、上方落語しか見たり聞いたりした事がないので、
特に小さん師匠に思い入れがあるわけでもなく、
永谷園のおっちゃんくらいしか印象が無い。
もちろん、花緑さんにも殆ど興味が無かったんですが、
何故この本を手にする事になったのかと言えば、
昨年末にテレビで放送されていた「朝まで生つるべ」で
チラッとこの本を紹介されていたから。

さすがに落語家らしく、非常に読みやすい文章で書かれていて、
すらすら読めました。
落語家が高座に上がるまでにやっている事、
何を考えて高座にあがっているのか、
一つのネタをどういう風に憶えて、
どういう風にアレンジして自分の物にしていくのかという事を
事細かく書かれています。
ここまで手のうちを明かしていいんだろうかというくらい。

ただ憶えれば良いというだけではなく、
表情、仕草、間、いろいろな物が
一つの噺には含まれています。
それを全て憶えるには、やはり登場人物に気持ちにならないといけない。
そうなってくると、もう役者ですよね。演劇。
演劇の余計なものを全て削ぎ取ったものが落語なのかもしれません。

やはり丸暗記というよりも流れを追って憶えて行くという事。
そういえば昔、松ちゃんも漫才の憶え方をラジオで言ってました。
できる漫才師は流れで憶えるので、たとえネタがとんだとしても、
どないにでも対応できるし、アドリブを入れた所で
きちんと返す事ができるけど、
悪い漫才師というのは一語一句丸暗記するので、
少し間違えたりとか、違う事を言ったりするともう対応できないらしいです。

この辺はどんな仕事でもそうですよね。
僕らみたいに普通に会社へ行って普通に仕事をしていても、
マニュアルを丸暗記していたって相手の対応なんて、
10人いれば10通りあるので、その時その時で
対応していかないと、どないもいきません。

落語ファンとしては、
特に真新しい事が書いてあるわけではないんですが、
なかなか興味深い本でもありました。
今まで東京の落語家には殆ど興味はありませんでしたが、
少し見てみたいと思うようになりました。

とりあえず、今度の日曜日は久しぶりに落語会へ行くので
楽しみです。

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お笑い」カテゴリの記事

コメント

シリーズ物忘れかいなと思いました(爆)

この本僕もチラ見したんですが、僕はA2Cさんとは逆で読み
にくくて、途中で置いてしまいました。
昨年末の独演会にも(盗難事件の真っ最中で、色々とあって、
遅刻して)行きました。確かに巧い人ではあります。
ただ、独演会はキツいかも。

それと僕ダウンタウンとか全然知らんのですけど、多分
松本とかは大変頭が良いから、恐らく勝手に丸暗記できてると
思うんですよ。大体作家、芸人、芸術家で凄い人はちゃんと
ノートが取れる人、理論的に構築してる人なんですよ。
あの天才と呼ばれた横山やすしでさえネタはビッチリとノートに
書かれていましたが、弟子には「ノートを取るな」といつも言うて
たらしいですから。
僕らは凡人やからこう言う人の「丸暗記したらあかん」みたい
なのを額面通りに受け取ってしまいがちですが、それは
この人たちがある種の天才で、知らん間に丸暗記してる
と言う事やと思います。

日曜は春団治ですか? 
楽しんで来て下さいね〜!!

投稿: Xinyi Folders | 2009年1月30日 (金) 20時29分

>Xinyi Foldersさん
物忘れシリーズでなくてすいません(笑)

>理論的に構築してる人なんですよ

確かにそうかもしれませんね。
僕がこの人凄いな〜って思う人は
どのジャンルの人にせよ、
何故良いのかという事をキチンと説明できる人のような気がしますね。
そう言えば紳助も「メモを取るな!」と言ってました。
メモを取らずに後々残ってくるものしか心に残らんって。
知らん間に丸暗記。確かにそうかもしれません。

日曜日は春団治です。楽しみです。

投稿: A2C | 2009年1月30日 (金) 21時10分

こんにちは。
今までコンサートやら演劇やらお笑いの舞台やら全くといっていいほど観に行ったことはないのですが
落語はとても興味があります。
一度観に行きたいとは思っているのですがチケットとか入手しにくいのでしょうか?
あと、やっているところは天満天神繁昌亭になるのでしょうか?
宜しければまた教えて下さい

投稿: kimotoshi | 2009年1月31日 (土) 13時18分

>kimotoshiさん
こんばんは。
僕もそんなにしょっちゅう行く訳でもないんですが
落語会は結構いろんな場所で開かれています。
ちなみに僕が2/1に見に行くのは
千里の読売文化ホールです。
毎日、落語を楽しめる寄席となると、
仰る通り天満天神繁昌亭になりますね。

チケット入手ですが、
これはやはり出演の落語家によると思います。
僕の場合はまず誰の落語を見たいか。
それでネット検索します。
そこから週末に見れそうなものを絞っていきます。
人気の落語家の独演会などはチケット発売日や
先行手配などでないと入手しづらい物もあります。

繁昌亭も2度程行っていますが、
特に誰の落語って訳でもなく
一度見てみたいって事なら金額も安いですしお薦めです。
しかし、ここの所の落語人気でやはり入手しにくいので、
来週行ってみようって感じではナカナカ・・・。
kimotoshiさんは、ブログを拝見している限りでは
平日お休み取れそうな感じなので比較的取りやすいかも。
ただ、結構先の分も発売されているので、
1ヶ月、2ヶ月先で良ければ充分チケット入手は
可能です。
僕の場合は繁昌亭に関してはそうして取ってます。

伝統芸能ということで、敷居が高く思われがちですが
僕は、面白い噺を聞きに行こうくらいの気持ちで
気軽に見に行っても充分楽しめると思います。
そういう感じで1度繁昌亭へ足を運んでみては
いかがでしょうか?

投稿: A2C | 2009年2月 1日 (日) 02時09分

おはようございます。
詳しくコメントしてくださりありがとうございます。
なるほど、色んなところで落語会はやっているようですね。
私的に誰のファンってことはないのでA2Cさんがおっしゃるように
天満天神繁昌亭に行ってみようかなと思ってます。
これなら夜勤スタートの日の昼間でも観にいけますからね。
しかし、落語も人気が高いのですね。
確かに私が観に行きたいなって思っているくらいですからね(笑)
行くとなれば早めにチケットは購入します。
中百舌鳥にもたまに来られるのですね。
私の家の近所ですから青ブロで走っているのを見かけましたら
声でも掛けて下さいね。

投稿: kimotoshi | 2009年2月 1日 (日) 10時35分

>kimotoshiさん
こんばんは。
寄席は良いですよ〜。
テレビに出てる芸人だけが面白い芸人ではない
という事をわからせてもらえます。
特に落語家はやはりネタを見ないと面白さって
伝わりにくいですし。
書き忘れてましたが、繁昌亭の昼席は基本的に
指定席ではないので、少し早い目に行って並ばないといけません。
まあそんなに広くない小屋なので多少悪い席でも
充分楽しめますが。

中百舌鳥はヨガ教室に参加させて頂く時に
行く程度なんですが、雨降りでなければブロで
行ってます。
こちらこそ緑ブロを見かけた際にはよろしくです。

投稿: A2C | 2009年2月 1日 (日) 21時05分

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